CASE

株式会社SABON Japan

人事制度を10年ぶりに刷新!店舗スタッフ評価・育成を適正化

対話を繰り返していくうち、曖昧だったものを整理できた

Human Resources

古本 貴司

マネジメントしやすくなったと、効果を実感しています

AreaManager

松並 佑子

イスラエル発のボディケアブランド「SABON」が日本に初出店して10年。順調な成長の一方で、店舗スタッフのマネジメントが課題になっていた。新たな人事・評価制度の策定に挑んだ4人が、その過程を振り返る。

解釈にバラつきがあった人事制度を抜本的に見直し

FMHR 山田 人事制度を見直す必要性を感じ始めた背景はどういったものでしたか?

古本 既存の制度をつくってから10年ほどが経過していて、その間にお客様の動向も変わり、社として店長やその他の店舗スタッフに求めるスキルもおのずと変化してきました。組織変更もあり、このタイミングで人事制度を見直すべきではないかと考えたんです。

松並 実際、既存の制度では教育や評価の際に難しさを感じるケースが多くなっていました。たとえば、店長は何をどこまでできる力が必要なのか。明確に言語化されていなかったので、個人の解釈によって評価にバラつきがあったり、できる・できない以上に、やる気があるかどうかが重視されたり。すごくミスマッチが起きていたのかな、と。

FMHR 山田 人事制度を再構築するにあたってFMHRに声をかけていただけたのは、どういった理由からでしょうか?

古本 古くから弊社に常駐してくださっているFMのコンサルタントの方がいて、弊社に対する理解が深かったことは一つの大きな理由ですね。

松並 教育研修でもすでにお世話になっていましたよね。講師の方が私どもに対して真剣に向き合ってくださったことは印象に強く残っていましたし、FMHRさんには圧倒的な信頼がありました。

FMHR 山田 ありがとうございます。プロジェクトが始まった当時を思い返せば、弊社グループのコンサルタントが築いてきた良いイメージを私が壊してはいけない、というプレッシャーがありました。期間にすると2018年の春から秋口まで、店舗スタッフの等級制度の整備、それから育成用、評価用それぞれのスキルマップ作成などを支援させていただいたわけですが、どんな感想を持たれていますか?

古本 山田さんの服装が徐々にカジュアルに(笑)。というのは冗談ですが、制度を練っていく段階で対話を繰り返していくうち、それまでは曖昧になっていたものを整理できた点がよかったなと思います。「こういう表現はどうですか」というご提案をいろいろといただきながら、「言いたかったのはそれだ」と腑に落ちることがたびたびありました。

FMHR 山田 最初に店舗スタッフの等級制度を決めるうえで、各グレードに対してどこまで遂行責任があるのか、あるいは結果責任があるのかを色付けしていきましたよね。その作業が、皆さんの中に何となくあったものに線引きをし、きちんと整理することにつながったのだと思います。

松並 私がよく覚えているのは、その次のスキルマップをつくる作業ですね。3週間ほどもかけて、店舗における業務を行動ベースで落とし込んでいくことに取り組んだのですが、それがすごく難しかった。一つの業務のレベル感に対する感覚に、私も含めて4人いたメンバーでだいぶ違いがあって、「だから各店長がつくるお店のレベルにも違いが出てきているんだな」ということがわかってきたり。単にスキルマップをつくるという本来の目的だけでなく、採用や教育などの部分でどこに問題があったのかを振り返る機会になりましたし、その後、教育プランを検討する際もスムーズに考えられました。

FMHR 野崎 そのスキルマップも、最初はヒト・モノ・カネの軸で分けて整理しようとされていたところを、弊社からの提案で店舗マネジメントの軸に切り替えていただいたんですよね。

松並 その点もよかったなと思います。ちょうど今年(2019年)から要員計画を見直したところで、店長やシニアビューティーアドバイザーといったマネジメント層に位置する人材が4~5名いる店舗も出てきました。1、2年目のスタッフならレベル感の差が明らかですが、ランクが高くなるとそれぞれの能力差が見えづらくなってくる。そういった時にスキルマップを活用することで、お店の中でのタテの関係をより明確にすることができるようになった。マネジメントがしやすくなったな、と効果を実感しています。

FMHR 山田 私としては、このプロジェクトの前に、SABON様でSV(スーパーバイザー)強化支援のお仕事をさせていただいた経験が役に立ったと感じています。都内にある複数の店舗を回らせていただいて、バックヤードも含め現場での人の動きや仕事の仕方を実際に目にする機会があったので、具体的にイメージできました。

コンサルが店舗に“潜入” 生きた「外部からの目線」

松並 店舗の業務をよく理解してくださっていたことで、同じ感覚で話せて、こちらとしても本当にやりやすかったです。

FMHR 野崎 今回のプロジェクトの最中も、山田さんと2人で、普通のお客さんとしてお店に行ってみたことがありましたね。比較的近いところにある2店舗でしたが、接客の仕方などに違いがあった。そういう生の体験を通して得た印象などもお伝えさせていただきました。

松並 当然ながら「私たちのサービスは良い」という前提でいるわけで、会社の中にいると、凝り固まってしまう部分は避けられない。だからこそ、言っていただいて初めて気づくこと、ショックを受けることも少なくなかったですね。

古本 コンサルの方って実店舗まで足を運んだりするんだな、というのはちょっと意外でした。そういう部分も、FMHRさんは信頼できるなと感じるところです。

FMHR 山田 事業会社を経験していたり、コンサルといえど現場を大事にし、柔軟な思考を持ったメンバーが多いのが弊社の特長だと自負しています。そういう側面を感じていただけたのかもしれませんね。

FMHR 野崎 プロジェクトの成果物として納品させていただいた等級定義やスキルマップなどは、そのままの状態でご使用になられているのでしょうか。それとも現場の実態に合わせて御社なりの修正を加えていますか? 今後のためにも、そのあたり教えていただけたらと思います。

古本 そのまま使わせていただいていますよ。手を加えたのは、表を縦にしたとか、本当にそういうレベル。400名近くいる従業員みんな、何らかの形で評価シートなどに触れている状況です。

FMHR 野崎 どこまで実際のニーズにアジャストできていたのかは気になっていたので、うれしいですね。

より的確な運用法を探り、 人材の成長と定着を促す

FMHR 山田 完成度の高いものができたのは、松並さんたちの熱意のおかげでもあると思います。私たちが提出したものに対して、時に、非常に鋭い指摘をくださることがありましたよね。

松並 直前まで店舗に5年間いましたので、「実際の現場の人たちがどう受け取るだろう?」ということは常に気にしていました。一括りに店長といっても、トップラインからボトムまであって、どこに合わせた言葉遣い、表現にすべきなのか。そういうところでこだわりが出てしまったのかもしれません。

FMHR 山田 そういった姿勢で臨んでくださったことがすごくよかったと思います。今後の課題については、どのような認識をお持ちでしょうか。

古本 これからも新規出店が続く見通しです。規模的には大きくなっていく一方で、人材は不足している。そうなると、スタッフ一人ひとりに成長実感を持ってもらい、定着させていくことは、これまで以上に重要になってくる。ここに入ってよかったなと思ってもらえるような会社、ブランドにしていきたいですね。

松並 上昇傾向にあった離職率が、新制度の導入以降は少し下がってきているのは、何をやれば評価されるのかが伝えられるようになった成果だと感じています。個人のレベルアップにもつながっている。今後は、評価者側の認識をさらに一致させる必要性がありますし、中長期的な視点でいえば、よりきめ細かな制度を検討していく必要があるのかなと思います。

古本 大事になるのは、人事制度をいかに運用していくか。会社が置かれている状況の変化にも対応しつつ、研修なども含め、制度をちゃんと自分たちのものにしていく努力が必要だと感じています。

※内容およびプロフィールは取材当時のものです